"Baby's Cry"その響きが、私を呼び寄せたのかもしれない…
スターシップで航行中にキャッチした救難信号、通称「Baby's Cry」…
その響きに引き寄せられるように、私は進路を変更した。
かつて私は、メトロイドの殲滅を目的に惑星SR388へと赴いた。
死闘の末、クイーンメトロイドを倒したばかりの私の目の前でメトロイドの赤ん坊が孵化し、生まれて初めて目にした私を母親だと思い込んだ。
平和的利用の可能性を信じ、私はそれを銀河連邦へ持ち帰った。
だが研究の最中の襲撃によって、「ベビーメトロイド」はマザーブレイン率いるスペースパイレーツの手に落ちた。
私はベビーの奪還を目的に、マザーブレインが支配する惑星要塞ぜーべスに潜入した。
しかしマザーの圧倒的なパワーは、私を死の淵へと追いやった。
ところが、今まさに消えようとしていた私の命の灯火は、あろうことかその勢いを再び取り戻し始めたのだ。
「なぜ私はまだ生きているのだ…」
ベビーがマザーブレインの攻撃から身を守ってくれていた。
私に力を与えてくれていた。
そしてベビーは 私の頭上で砕け散った…
「マザー、今すぐ消えろ!」
惑星ぜーべスとともに、マザーが、スペースパイレーツが、そしてメトロイドという存在が、この世から消え去った。
あれからどのくらい経ったのだろうか。
スターシップで航行中だった私は、あるシグナルをキャッチした。
通称"Baby's Cry"。誰かを呼ぶことを最優先としたその目的を、赤ん坊の泣き声になぞらえた典型的な救難信号だ。
辺境宙域から発せられている。
私は最初からそう決められていたかのように、スターシップの進路を変更した。
"Baby's Cry"
その響きが、私を呼び寄せたのかもしれない…
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